DISTRICT VISIONのファウンダー、マックス・ヴァロットとトム・デイリーにとっても(そして私達の多くにとって)2000年代とは、快楽と浪費が美徳とされた時代だった。ロンドンのビジネススクールで出会い、その後ニューヨークに移り住んだ二人は、しばらくの間はSAINT LAURENTとACNE STUDIOSでそれぞれ働いていた。オフィスワークとナイトライフのルーティンは、一時はスリリングであったけれども、二人の心身を次第にすり減らしていった。ヴァロットはオフィスで平静を保つのを困難に感じ始め、デイリーは当時付き合っていたガールフレンドと別れ、傷心に浸っていた。丁度そんな時に、ヴァロットはオフィス隣のビルにスタジオを構えていたアイアンガーヨガに、デイリーはダウンタウンを中心に活動するランニングチーム、ブラック・ローゼズに出会う。
DISTRICT VISIONのもう一つの重要な構成要素にソーシャルがある。ウェブサイトは二人がトレーニングを共にする、ブランドのフィロソフィーを体現するローカルアスリートを紹介する場であり、また、彼らが指導するヨガやランニングのオープンイベントを通して、新しい仲間と出会う場でもある。昨年11月に開催されたニューヨークシティマラソンに合わせ、ウェブマガジン『AMUSE』で公開されたビデオプロジェクト「ランナーズ・ハイ」では、それぞれの目的に向かってアクティヴなライフスタイルを実践している様々なニューヨーカーを紹介した。400メートル、800メートル競技オリンピック選手のセラーシ・ルマックス、フォトグラファーのマイケル・アヴェドン、ミッドナイトハーフマラソン覇者のリー・ガーソン、モデルのアラナ・ブンテ、ブラック・ローゼズのヘッドコーチのノックス・ロビンソン、アイアンガーヨガ師範のジェームス・マーフィーなど、それぞれのフィットネスのレベルが全く異なるアスリート達が集まって、共通のトレーニングメニューをこなしたのである。初めにヨガのメディテーションを、それから激しい有酸素運動を行ったアスリート達は、カメラの前で、フィットネスの苦悶から高揚へと導かれる覚醒の瞬間を見せてくれた。
村上春樹は『走ることについて語るときに僕の語ること』(2007年/文藝春秋)の中で、走ることを指して、こんな格言を紹介している。「PAIN IS INEVITABLE. SUFFERING IS OPTIONAL(痛みは避けがたいが、苦しいと感じるかは自分次第である)」。今、あなたが鏡の前の自分の姿に満足していないなら、その「苦しみ」を「挑戦」と捉えてみてはいかがだろうか? そんな「ココロ」と「カラダ」の新しい関係性を築きたいと願う全ての人にとって、DISTRICT VISIONはきっと最善のパートナーになってくれるだろう。
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