MAGGY

最新のメンズウェアを。
ISSUE 4
PHOTOGRAPHY CHIKASHI SUZUKI
FASHION EDITOR TATSUYA SHIMADA
INTERVIEW TEXT NAOKI KOTAKA
maggy-1

SWEATER ¥83,900, SHIRT ¥67,900 BY TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST. (GROCERYSTORE.)


maggy-2

MEN’S JACKET ¥485,000, MEN’S SHIRT ¥90,000, MEN’S TROUSERS ¥79,000, WOMEN’S BOOTS ¥98,000 BY SAINT LAURENT (YVES SAINT LAURENT)


maggy-3

MEN’S COAT ¥84,000 BY DIESEL JAPAN 30TH BY N.HOOLYWOOD (DIESEL JAPAN)


maggy-4

MEN’S TOP ¥424,000 BY GIVENCHY BY RICCARDO TISSI (GIVENCHY OMOTESANDO STORE) TOP, SHORTS STYLIST’S OWN


maggy-5

MEN’S JACKET ¥390,000, MEN’S SWEATER ¥250,000, MEN’S TROUSERS ¥120,000, MEN’S TIE AROUND WAIST ¥20,000 WOMEN’S SHOE ¥130,000 BY GIORGIO ARMANI (GIORGIO ARMANI JAPAN)


maggy-6


maggy-7

MEN’S JACKET ¥395,000, MEN’S TROUSERS ¥198,000, WOMEN’S SHOES ¥145,000 BY GUCCI (GUCCI JAPAN)


maggy-8

MEN’S COAT ¥486,000, MEN’S TROUSERS ¥120,000 BY LOEWE (LOEWE JAPAN CUSTOMER SERVICE) WOMEN’S SHOES ¥128,000 BY MANOLO BLAHNIK (BLUEBELL JAPAN)


maggy-9

MEN’S SWEATER ¥60,000, MEN’S TROUSERS ¥47,000 BY COMME DES GARÇONS HOMME PLUS (COMME DES GARÇONS) BELT STYLIST’S OWN


maggy-10


maggy-11

MEN’S JACKET ¥290,000, MEN’S TROUSERS ¥135,000 BY HAIDER ACKERMANN (SANKI SHOJI)


maggy-12

JACKET ¥489,900, SHIRT ¥57,900, BELT ¥25,900 BY TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST. (GROCERYSTORE.) WOMEN’S BOOTS ¥148,000 BY JIMMY CHOO (JIMMY CHOO COMMUNICATIONS)


maggy-13

JACKET ¥527,900, TROUSERS ¥70,900 BY TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST. (GROCERYSTORE.) TOP STYLIST’S OWN


あなたが国民的トップモデルを夢見るティーンエイジャーだとして、目標を達成するための必須条件に何を据えるだろうか? 高校一年生のギブ・奈月・マーガレットは、勿論「チャーミングな笑顔」も「類い稀なスタイル」も、そして「透き通るように白い肌」も持ち合わせていたが、彼女を有名にした最大の要因は、どうやら並外れた「生真面目さ」にあったようだ。

モデル活動を始めて8年、16歳だった少女は「マギー」の愛称で親しまれる国民的トップモデルになった。人気ティーン誌の専属モデルを務め、近年ではテレビや広告に引っ張りだこの彼女は、念願だったイットガールの座を手に入れたのだ。今年11月、これまでの活動基盤であった『VIVI』の専属モデルを卒業したことを機に、マギーは新たに目指すべき自身の姿を探し始めた。「今までは、ファンが求める“私らしさ”に対して120%の力で応えようと努力してきたけど、これからはもっと素をさらけ出したり、世間一般の“マギー像”を裏切れるような、そんな新しい私を見付けたいの」。100万を超えるフォロワー数を誇る「@MAGGYMOON」のINSTAGRAMアカウントにアクセスすれば、撮影現場でのモデルとしてのプロの顔から、友人とのプライベートな素顔までが垣間見え、彼女の存在をグッと身近に感じることが出来る。体型管理のために、朝食と夕食は健康を意識したメニューを自炊し、新しい健康食品や美容法は積極的に試してみる。束の間の休暇には、東京を離れて、地方のミュージックフェスティバルや離島リゾートを訪れ、自然に囲まれながら穏やかな時間を過ごす。

こうしたソーシャルメディアにおけるコミュニケーションによって、ファンとの距離を縮める一方で、マギーは旺盛な自己改革によって、ファンとの距離を更新し続けている。「最近は、リアルクローズとしてのファッションだけではなく、アートとしてのファッションにも挑戦したいと考えているの」。その意気込み通り、都内の撮影スタジオで行った今回の撮影では、コレクションブランドのメンズアイテムを中心に組んだ“難易度高め”のスタイリングを、彼女は見事に着こなしてみせた。「フォトグラファーの眼差しと着用した服の一つ一つを意識しながら、撮影現場の空気感に身を委ねると、音楽に合わせて踊り出すように、身体が自然と動き始めるの」。いつも撮影中に何を考えているのか尋ねると、彼女はそう答えた。彼女のモデルとしての活動をミュージシャンに置き換えるならば、現在のマギーは、とびっきりポップな、大ヒットしたデビューアルバムを経た後で、様々な音楽性を持ったミュージシャン達とセッションを繰り返しながら、やがて自分の内から沸き上がるであろう新しい音のハーモニーに、耳を澄ませているかのようだ。

撮影日から遡ること12週間、マギーは自身のINSTAGRAMアカウントに、海を眺める自分の写真と共にこんなコメントを投稿していた。「もっと、前へ。自分の目指すところへ。私の人生、私が生きるのよ!」。ティーンエイジャーの頃に抱いていた夢を、足早に実現させた彼女が抱える現在のミッションとは、自分を鼓舞し続けると同時に、かつての“マーガレット”のような夢見るティーンエイジャー達と「自らの美しさを信じる力」を共有することだ。「好き勝手に意見をする人達が、20年後、30年後も側にいるかは分からない。人にどう評価されるかを気にするよりも、まずは自分がやりたいことに、思いっきりチャレンジして欲しい」。具体的な形態については未だ模索中だが、マギーには、女の子達が自分らしく輝けるように、彼女なりの支援を行いたいとの強い思いがある。「明日からの人生がワクワクするような、そんな時間を共有していく活動を始めたいの」。

インタビューの最後に、トップモデルとして、人気タレントとして活躍する彼女にとって、最大の武器とは何かを尋ねると、意外な答えが返って来た。「生真面目さじゃないかな(笑)。友人達からは自分を追い込み過ぎるって心配されるけど、目の前の仕事に真摯に取り組んで来たからこそ、今の自分があると思っているの」。きっと、高校一年生の「マーガレット」が、現在の「マギー」とテレビの画面越しに対面しても、彼女は自信を持って、未来の自分の「可愛さ」を称えるだろう。「あの頃の自分から見て、今の自分は少なからず可愛い部類に入っているんじゃないかな(笑)。自分でそう思えなければ、モデルの仕事を続けてないと思うの」。彼女の言葉からは、成し遂げたことへの自負と、現状に甘んじることなく自身の可能性を探求し続けるための鼓舞、その両方の気持ちが滲み出ていた。そう、黙々と自らに向き合い、美しさを追求する。そんなモデルとしての“生真面目過ぎる”プロフェッショナリズムこそが、彼女を突き動かしている原動力なのだから。


HAIR HIROKI AT W.
MAKEUP MASAYO TSUDA AT MOD’S HAIR.
RETOUCHING RYO SHIMURA AT VITA INC.
PHOTOGRAPHIC ASSISTANT SEIKO TOUYAMA.
STUDIO ASSISTANTS TOYOHIDE KANDA, YOSHITAKA NAKAMURA AT STUDIO FOBOS.
STYLING ASSISTANTS MARI ISHIBASHI, YUKI KOGA.
HAIR ASSISTANT IZUMI KAMIKAWABATA.
MODEL MAGGY AT LESPRO ENTERTAINMENT.