ROLA

ポジティヴヒロインが教えてくれる、幸せをつかむ最良のアクションとは?
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INTERVIEW TEXT NAOKI KOTAKA
ROLA 2

DRESS ¥480,000, EARRINGS ¥47,000, NECKLACE ¥195,000 BY DIOR (CHRISTIAN DIOR)

今年6月に国立新美術館で行われたディオールのランウェイショーに、ゲストとして来場していた彼女をビデオインタビューする機会があった。その時はフォトコールを待つ彼女に一つ二つ質問を投げ掛けただけで、まるでテレビ番組的な“お決まり”をお膳立てしたようで、素顔の彼女にリーチできたとは思えなかった。しかし本インタビューを始めてすぐに、メディアを通して目にする彼女の姿は、どこまでも前向きな彼女の“ありのまま”であることがわかった。というのも、撮影スタジオ内の椅子に腰掛け、目の前で質問に答えてくれたローラは驚く程に想像した通りの人物だったからだ。「テレビに出演しているときは、自分の家のリビングで友人と会話を楽しんでいるような感覚で、とてもリラックスしているの。テレビに出演し始めた頃は、恥ずかしさの裏返しからリアクションがわざとらしくなったりしてた。最近は緊張しないようになったから、たこ焼きポーズとか滅多にしないよ(笑)」。一視聴者として、少なからず演じている部分もあるのでは? そのように憶測していた自分にとって、彼女の答えは意外だった。「私の願望が一番というよりは、ファンのみんなが私を好きでいてくれる部分を大切にしたい」。タレントであれば、有名になるほど自身のパブリックイメージを窮屈に感じても不思議ではないが、ローラはカメラの前でも私生活でも、心の赴くままに振る舞っているのだ。

都内の撮影スタジオで行った今回の撮影現場では、いたずらっ子のように舌を出しては微笑む、自由奔放な彼女の姿は身を潜め、現場スタッフの要望に黙々と応えるストイックな彼女の姿があった。10代の頃からガールズ系ファッション誌において人気モデルとして活躍していたローラだが、最近では本格的なモードファッションの撮影にも挑戦している。フォトグラファーやスタイリストが指示を出すことなく、現場の空気を敏感に察知しては、ポージングやエクスプレッションを瞬時に修正してみせる。気がつくと、さっきまで渋い顔でモニターを見つめていた面々が、一様に笑顔になっていた。「自分の感覚と少しでも違うと感じたらすぐに行動を起こすの」。新米モデルの頃は、誌面に載った自分の姿を見て悔し涙を流したこともある。「みんなの前で自分の写真を確認するのは恥ずかしいんだけど(笑)」。撮影後に自分の写真を確認するのは、モデル活動を始めてから一度も欠かしたことがない習慣だ。「思い描いたようにポージングができなかったり、折角の洋服が美しく見えなかったり。悔しいって思うことは何度もあった。撮影を重ねて良い結果が出ると、すごく感動したり、嬉しくって」。ローラはスタッフたちの輪に加わると「カッコ良い~!」と写真を褒めて、彼女自身も見たことのない新しい表情の自分に魅せられていた。瞬く間に国民的タレントの地位に上り詰めたローラにとって、旺盛な行動力こそが成長の原動力なのだ。

彼女のインスタグラムのアカウントにアクセスすれば、多忙を極めるスケジュールの中でも自分磨きを怠らない行動的な彼女の私生活を垣間見ることができる。「やりたいことがいつもいっぱいなの。お料理も映画も好きだし、旅行や釣りも好き」。一日の始まりは、早起きして健康を意識した朝食メニューを自炊し、日中の仕事の合間や仕事後には、週3回を目安にフィットネスレッスンに通う。オフの週末は、美術館やミュージックフェスティバルに行くなど、友人と時間を過ごす。充実した私生活が彼女を支えているのだと、健康美に溢れる彼女を前にすると納得できた。そんな彼女にも気分が落ち込むときがあるという。「自宅で一人になったときは、賑やかな現場とのギャップに寂しく感じるの。愛猫のシオがいなかったら“落ちこぼれのローラ”なんてニュースになってるかもしれない(笑)」。弱みを見せることができる素直さも、彼女を親しみやすい存在にしている理由かもしれない。「長丁場の撮影で疲れたときとか、レッスンに行かないでマッサージを選んだりするから、そんな弱い自分をなくしたいと思ってる。30歳まではがんばらなきゃって(笑)」。模範的ともいえる彼女の私生活の過ごし方を知れば知るほど、これから彼女が築くであろう笑顔に溢れた将来が容易に想像できる。「最近になって、急にベイビーをほしいと考えるようになって。私も、私のママも双子だったから、双子を生みたいと思ってる。仕事を続けながら、30歳までには出産して家族で幸せに暮らしていたいな。海外にお引っ越しして、お庭の奇麗な家で美味しいパンケーキを焼いたりとか(笑)」。フィールグッドなラヴストーリーのように聞こえる話も、彼女の口から語られると、聞いている自分まで幸せな気持ちにさせてくれる。

「笑う」というシンプルな歓びを通して心を満たす。決して明るいニュースばかりではない現代の日本を取り巻く状況において、彼女のどこまでも前向きな姿勢が国民にとってプラスなインスピレーション源となっていることは間違いない。「些細な出来事でもニュースとして放送されてしまうときに、自分は有名になったんだなと実感する。時にはネガティヴな報道もあるし、有名になるほど受けるダメージも大きいなって」。彼女の一挙一動に対して注がれる世間からの注目と、ネガティヴなメッセージが与えるダメージのスケールを彼女自身が痛感しているからこそ、ローラはポジティヴな姿勢を発信し続けることの重要性を誰よりも感じているのだろう。今回のインタビューの端々でも、彼女は冗談を投げ掛けては場の空気を和ませてくれた。自分自身が笑顔でいるために、まずは周りの人を笑顔にすること。彼女にとっては、スマートフォン越しの180万人のフォロワーも、目の前の一人の話し相手も、等しく笑顔にしたいと思う存在なのだ。日本中を笑顔にするポジティヴヒロインは、笑顔こそが幸せをつかむ最良のアクションだと教えてくれた。ヒロインとは憧れる存在ではなく、「笑う」という人間に潜在的に備わる、素晴らしい資質そのものだと。そう、私たち誰もがヒロインになることができるのだ。


INSTAGRAM.COM/ROLAOFFICIAL


PHOTOGRAPHY TAKAY.
FASHION EDITOR SHUN WATANABE.
HAIR & MAKEUP KATSUYA KAMO.