EMMA

モデルEMMAが自身初のヴィジュアルスタイルブック、ファン、今後について語る。
INTERVIEW TEXT RISA YAMAGUCHI
「普通のモデルがやらない、やれないことをやりたかったんです」。そう力強く話すのは先日、初のヴィジュアルスタイルブックを発売したモデルのEMMA。2013年にモデルとしてのキャリアをスタートさせ、その後は様々なファッション誌を中心に活躍。現在は雑誌『VIVI』専属モデルとして活躍する傍ら、今春よりTBS『A-STUDIO』9代目アシスタントMCにも抜擢されるなど、多方面から高い注目を浴びている。寝る時間を惜しんで完成させたというスタイルブック『EMMA』は、全企画、スタッフキャスティング、撮影ディレクション、写真セレクト、更にページ構成に至るまでの全てを彼女自身が発案、監修したという。また、同スタイルブックのリリースを記念し、WACKO MARIA、スタイリスト野口強とのトリプルコラボレーションアイテムも発表するなど、“普通のモデルはやらない、出来ないこと”を見事に実現させた。約二年にも及ぶ歳月を経て完成させたスタイルブック『EMMA』については勿論、先日行われた発売記念イベントについても尋ねてみた。

VISUAL STYLE BOOK "EMMA"


本を作ろうと思った切っ掛けをお聞かせ下さい。

今までモデルとして様々な撮影をさせて頂く中で、「何でこの服にこのメイクを合わせちゃうんだろう」など、色々な疑問が自分の中であったので、自分の本では「自分がやりたいことだけをやってぶつけてみよう」という魂胆がありました。今まで沢山のモデルさんがモデル本を出版していますが、皆同じというか……。私自身モデル本を見るのが好きでよく買っていたのですが、「何で皆同じなんだろう?」と思っていたので、私が作るからには全ての過程を自分でやってみたいとスタッフさんにも話し、編集作業もやったことがなかったのですが「全部やってみたいんです!」とお願いしてみました。今までは出る側として色々な経験をさせて頂きましたが、裏方として構成、スタッフキャスティング、細かいレイアウトの指示までやらさせて頂きました。特に誰かに「本を出してみない?」と言われた訳ではなく、自分からずっと「いつ本を制作出来ますか?」とスタッフさんに聞いていました。ちょうどそう思ったのが約二年前くらいで、当時は皆さんがモデル本を出版していた時期だったので、それに少し刺激を受けて「私もやってみたい!」と自然と思いました。


制作する中で一番大変だったこと、嬉しかったことは?

まず、1ページ1ページの構成を考えるのが物凄く大変だったのと、本の制作以外の仕事との両立が大変過ぎて……。新しい仕事も増えてきた時期だったので、それらとの両立、更に精神状態を上手く保つのが大変でした。やっぱり夜の方が集中出来るので夜中まで起きて、そのまま仕事に行ったりしていましたね。大変なことも沢山ありましたが、やりたかったことなので、本に関わっていることは全てが本当に楽しかったです。


本の発売を記念して制作されたWACKO MARIA、スタイリスト野口強さんとトリプルコラボした商品についてお聞かせ下さい。

本を制作するにあたって本だけではなく、派生して何か記念に残るようなモノを作った方がいいのではないかと知人に言われたので、それが出来たら凄くスペシャルなことだなと思いました。元々コラボにも興味があったので、やるのだったら自分の好きなブランドとやりたいと思い、WACKO MARIAさんにご相談させて頂きました。スタイリストの野口強さんがきっかけで知ったブランドだったので、野口さんにもご協力頂きました。売れるかどうかよりも、その服を作れたことが本当に嬉しかったです。


「PRETTY WISE」という言葉にはどんな思いが込められているのでしょうか?

DIE ANTWOORDというアーティストの一人が首に入れているタトゥの言葉なんです。彼らの曲や激しい見た目も好きで、その言葉に何故か惹かれたんです。それで意味を検索したら「少し天才」というような意味合いで、凄い良い言葉だなと思い、そこからよく使わせて頂いています。


先日行われた出版イベントにてファンの子達と直接触れ合っていかがでしたか?

今までに何回かイベントをやらせて頂いたのですが、大勢のファンの方々に一気に会うのは初めてだったので単純に嬉しかったです。以前JOUETIEとコラボさせて頂いたアイテムがあるのですが、その洋服を着て、来てくれた子達がいて、そんな“EMMA JUNIOR”が沢山いてめっちゃ可愛かったです。本当に愛おしかった(笑)。後は、今回珍しく男の子のファンも来て頂いて、凄く嬉しかったです。手が震えている子もいて、凄く可愛いなと思いました(笑)。一人一人とお話が出来るタイミングが無かったので本当に楽しかったです。


“普通のモデルは卒業”というキャッチコピーが印象的でしたが、普通にならない為に工夫していること、努力していることはありますか?

今までは「出るだけのモデル」というか、マネージャーさんなどに言われた仕事をその通りにやるスタンスだったのですが、そろそろ次のステップに進まなければと思い始めていました。最初は現場のことも分からないですし、「ただのモデル」でいいと思うのですが、モデルを初めて5年目になるので、セルフプロデュースをする時期なのかなと思い、自分の為にも仕事のやり方を見極めていかなければいけないなと思っていました。なので、本のことも全部携わらせて頂いたり、写真も全部自分で撮りに行ったり、スタイリングを組んでみたり、セルフメイクもやってみたり……。勿論、流行りも追いますし、上手く取り入れていかなければいけないのですが、モデルも二つに分かれると思っていて、セルフプロデュースが出来る子、出来ない子、後は女優さんになる子がいて、モデルの中でもただただ可愛い、細いっていうモデルにはなりたくなくて。これからもモデルとしてやっていきたいので、セルフプロデュース力は必要不可欠だなと思っています。今はSNSの時代なので、それを見てくれてる子もいますし、自分が良いと思ったモノだけを取り入れたり、自分の好きなモノは変わらないので、それをずっと言い続けていれば、人と被ることも少なくなっていくのではないかと思います。例えば、本を制作する過程で、大体最初は撮り下ろしの写真を入れてパーソナルな部分は最後のページに持っていくと思うのですが、私の場合、最初は少しだけ撮り下ろしを入れて、次に一番大切な家族のことを持ってきたりなどして、色々順番をシャッフルしてみたり。少しずつ皆と違う工夫を心掛けました。後は、今はシンプルであることが主流だと感じていて、シンプルな本、雑誌が多いと思い、だったら逆のことをしようと思ったんです。見易さは勿論重視していますが、「このページごちゃつきが足りないね」と話し合ったりしていました(笑)。


ファンの子達は早くも第二弾を期待していると思いますが、2冊目も制作したいと思いますか?

勿論です! 制作の人に「皆作っている最中はもう二度とやりたくないって言うんだけど、終わったら不思議とまた作りたくなるんだよ」って言われていたのですが、私は作っている過程もそうは思わなくて、楽し過ぎて、むしろ「早くまた次を作りたい!」と思っていました。他の仕事との両立は大変でしたが、周りのスタッフも初めてだったこともあり、スケジュール管理などももっと上手く出来たと思うので、次は今回の反省点などを生かしてよりスムーズに作れるように努めたいですね。楽し過ぎて他の仕事の量をセーヴして本に没頭したいくらいです(笑)。普段は自分が出る側なので、更に楽しいと思うのかもしれないですね。また、この本を出版する前に海外に行く機会が多かったので、それがこの本にも生かせたので本当に良かったです。この本の為にわざと多めに旅行に行ったり、フィルムカメラを持つようになりましたね。


最後に、今後の目標などをお聞かせ下さい。

プロデュース業もやりたいと思っています。今後もモノ作りを続けていきたいと思っていますが、ブランドを出すにはまだまだ勉強しなければいけないと思うんです。今回のWACKO MARIAさん&野口強さんとのコラボはあまり時間のない中で制作したので、次はもっと深く携わって、第二弾も実現出来たら嬉しいですね。勿論、また本を出したいと思っているので、例えば旅行に特化した本だったり、メイクだったり、食べ物などもいいかもしれません。





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