先日、イタリアのファッション学校、ポリモーダの元ディレクターであるパトリック・デ・ムンクが上野の森美術館に行き、鳥獣人物戯画のような、様々な生命が同居する日本画の世界観を多く見た際に、「COMME DES GARÇONSの世界に通じる」と仰っていました。最初は「??」でしたが、話を聞いていくと、「人間中心に描いているのではなく、様々な要素が入り混じった世界観の作り方がある。その世界は西欧人にはなかなか作れない」と。確かに、「なるほど!」と思いました。本来排他されるものを中心で描こうとしたり、共存した世界を描いています。日本人デザイナーが一見アンバランスなデコンストラクションが得意なのも、そういう世界観からなのかもしれません。先日見させて頂いたCOMME DES GARÇONSのファッションショーも正にそうでしたし、魔女や化け物、妖怪など、世間から排他的に見られている異色のものをパリコレという本流の世界に投げ込むことによって、パリの人間中心的になりがちな世界に彩りを与え、多様性を生んでいます。