HELMUT LANG ARCHIVES FANZINE | SHINGO ISOYAMA

磯山進伍 6/12
ISSUE 6
前号のRAF SIMONSに続き、本号ではヘルムート・ラング本人が手掛けていた頃のHELMUT LANGのアーカイヴピースに着目。国内外のコレクター達が各々の感性をたよりに、それらの貴重なピースの数々を撮影。 ブランドを象徴するミリタリーやデニム、スリット入りトップなど、機能性とデザイン性が共存する美しきヘルムート・ラング・デザインに今、大きな注目が集まっている。


SHINGO ISOYAMA
磯山進伍
@ISOYAMASHINGO

アイテムにまつわるエピソードや、気に入っている点などをお聞かせ下さい。

耐久性のある分、厚いキャンバス生地を用い土臭いワークウェアのディテールをふんだんに盛り込んでいますが、生地の色がホワイトなので汚れないように気をつけながら穿いていた記憶があります。ワークウェアとモードの境界線を服そのものから感じたという点でも大切な一本です。

ヘルムート・ラングというデザイナーについて、あなたの考えをお聞かせ下さい。

ホワイト・キューブのような透明感のあるブランドイメージを静かに彩るアーティスト達との姿にも感銘を受けました。思えば、ジェニー・ホルツァー、ルイーズ・ブルジョワ、ロバート・メイプルソープなどのアーティストは、HELMUT LANGを通じて知ることになりました。話題作りの為の所謂「コラボ」ではなく、デザイナーとアーティスト、互いの敬意をも感じさせる「コラボレーション」でした。そのようなモノ作りの姿勢や服の素材と造形、モデル選びなどから性に対する素直な眼差しが感じられました。そこからイメージするのは、アブノーマルとノーマルが混ざり合いながらも社会へと開かれた性の交差点です。最近HOOD BY AIRのシェーン・オリバーによる新生HELMUT LANGのキャンペーンが話題になりましたが彼もまた、その交差点を踏襲した人物といえるでしょう。






JEANS FROM AUTUMN / WINTER 1999-2000