その後、アントワープ王立芸術アカデミーに入学。卒業後はMAISON MARTIN MARGIELAやCHRISTIAN LACROIXで経験を積みパリで独立、ファッションの中心へ自ら引き寄せられていく。「18歳の時にファッションを学ぶことに決めたんだ。ファッションはドローイング、写真、グラフィック、音楽、自分の好きなもの全てを組み合わせることができると思っていたし、実際に今もそれが好きな点だよ。ただ、ある意味では自分が正しい道を選んだかどうかわからないと思っている。ファッションは結局ビジネスだし、自分は正直な所ビジネスマンじゃないからね。勿論ファッションの芸術的な部分は好きだし、それは他の皆も同じだと思う。でも芸術的側面は大体において世間体の姿でしかない。結局ファッションは社会の中でお金を生み出す手段の一つでもあるからね」。
「この業界にはもっと透明性が必要だと思う。あまりにも腐敗や不正が蔓延している。『MADE IN ITALY』というラベルが付いた高額の商品を買う顧客の裏で、アジアで製品を作っていたりする。こういう不正を真剣に防ごうとする法律は存在しないし、それは労働者や動物の扱いに関してもいえることだ。一着の可愛らしいドレスが生まれてくる為に、その背景で何が起きているかを考えると恐ろしくなる時がある。僕はそんな不正をしなくても、透明で持続可能な形で前に進めることを示したいと思った。我々はより善き存在になることができる、と示したかったんだ。100%の透明性というのは当たり前のサービスだと僕は信じているよ。人は自分が何を買っているかを知る権利があると思うし、それにブランドだって自分たちの行いに本当に自信があるなら全てを明らかにする事に躊躇する理由は全く無いはずだ。今の仕事の考え方は完全に僕自身を変えてくれた。僕の仕事をより美しくしたと思う。デザインの背後に美しいストーリーが存在していることは僕にとって大きな喜びになっているんだ」。