STAVROS

ISSUE 7
INTERVIEW TEXT YASUYUKI ASANO
MACHINE-Aという原点。

僕のロンドン生活はMACHINE-Aから始まった。渡英した2009年当時は、カッティングエッジなセレクトで知られていた「ザ・パイナルアイ」も既に閉店し、雑誌で見ていたBOOMBOXやNAG NAG NAGといったクレイジーなファッションパーティも既に開かれなくなっており、抱いていたロンドンのファッション像と目の前の現実との違いに落胆する日々だった 。

そんなある日、ソーホーの街角でふと目に入ったのが MACHINE-Aというショップであった。大きなウィンドウにはアートピースのような作品が展示され、ショップの中には知らないデザイナーの商品ばかりが並び、新しい何かを感じさせる不思議なオーラを放っていた。突然の新たなファッションとの出会いに完全に打ちのめされた僕は、気が付けば英語もろくに話せないまま履歴書を持参し、オーナーのスタヴロス・カレリスに「ここで働きたい!」と直談判していた。何が彼の心に響いたのか分からないが、無事ショップスタッフとして働くことになり、その瞬間からスタヴロスは僕のボスになった。

それから若手デザイナーをはじめ、様々なエキサイティングな人々と急速に出会うようになり、毎日の生活も一変した。一時の休止を経て、2013年に新しく生まれ変わり再オープンした後は、若手デザイナーに加えハイブランドもセレクションに加わり、SHOWSTUDIOとの提携などを経て、現在のMACHINE-Aに至っている。残念ながら僕自身は2015年にビザが切れたタイミングで帰国することになったが、 ずっとアシスタントとして仕事をしてきたスタヴロスのことは今でもボスのように思っている。そんな彼に今回改めて話を聞いて感じたのが、MACHINE-Aはファッションの原点だということ。勿論、僕にとっての個人的な原点であることに間違いはないのだが、それ以上に、皆がいつの間にか忘れていたような、ファッションそのものの原点であるべき思想や情熱が存在するように思えてならない。当時からスタヴロスがよく口にしていた「ハードワーク」や「ヴィジョン」というワード。自らの直感とデザイナー達の才能を信じてサポートする姿勢。そしてファッション・フォワードなピースへの需要を読み取り、ニッチなマーケットを拡大し、実際に売上に結び付けること。

スタヴロス率いるそんなMACHINE-Aが、これからもファッションの未来を担っていくと僕は信じて止まない。





スタヴロスと出会ったのはもう8年くらい前になりますね。当時のMACHINE-Aはソーホーのバーウィック・ストリートにあって、そのお店とスタヴロスがとにかく格好良くて、刺激的で。後日「ここで働きたい!」って履歴書を持って行きました。当時のことを今でも覚えていますか?

勿論、その時のことは鮮明に覚えているよ! ヤスはシャイだけど、とても親切で礼儀正しくて、何より抜群のスタイリングセンスを持っていると感じたんだ。すごくクールで、すぐに好きになったね。


ありがとう! それから僕もMACHINE-Aで働き始めましたが、当時はチームメンバーも少なくて毎日忙しかった記憶があります。スタヴロスもあまり故郷のギリシャに帰る時間が無かったですよね。最近はどうですか? 仕事の合間を縫って、家族の皆にも会えていますか?

最近だとクリスマスにギリシャに帰ったよ。今でもやっぱり忙しくしているけれど、家族とはクリスマスだけは一緒に過ごすことを約束しているからね。両親や妹に加え、今は甥っ子もいて、家族の皆といると心からリラックス出来るんだ。素晴らしい天気と共に、穏やかな日々を楽しむことが出来る。それはロンドンでは決して味わえない時間だね。


それではロンドンで休日を過ごす時に欠かせないことは何でしょうか?

美術館やアートギャラリーに行って、素敵な展示を見ること。何人かの親しい友人や家族へのスカイプを除いて、喋り過ぎないようにすること。毎日、仕事では沢山話すことがあるからね。ジムで運動したり、行きつけのバーバーでグルーミングをしたりといった自己メンテナンス。至ってシンプルなことだけど、自分のマインドを一旦オフにするためにとても大切なことなんだ。


更に想像を膨らませて、もしMACHINE-Aというファッションリテイルの仕事をしていなかったら、今何をしていると思いますか?

難しい質問だね。というのも、MACHINE-Aは僕の全てといっても過言ではないから、それ無しの人生は考えられない。でも多分、アートや慈善事業に携わっているんじゃないかな。社会的にインパクトがあって、若者をサポートするような。ファッションが不可欠ということではないけれど、大好きなのは間違いないから、長い目で見ると結局ファッションの仕事が恋しくなるかもしれないね。


その大好きなファッションに目覚めたきっかけ何だったのでしょうか?

生まれ育ったギリシャのクレタ島では、直接的にインスピレーションを受けるようなファッションは何も無かった。だから、元々大好きだったテクノやレイヴからファッションに目覚めていったんだ。当時の僕のファッション感覚はすごく90Sだったね。『クリスチーネ・F』や『トレインスポッティング』のように、テクノにインスパイアされた感じ。後はプロディジーやデニス・ロッドマンがアイコンだったね。


ファッションを好きになってから、ギリシャでの思春期はどう変わりましたか?

18歳の時に首都のアテネに移って、ロースクールで政治学を学んでいたのだけど、いつの間にかファッション誌で働き始めることになって、本格的にファッションについて学び始めたんだ。その後大学院に進学するタイミングでロンドンに行って、更にファッションの経験を積むと同時に、その本質や問題点を知るようになっていったね。


アテネでもロンドンでも、学校でファッションを学んだ訳ではないですよね。MACHINE-Aというビジネスを始めたきっかけ、またその志はどこから生まれたのでしょうか?

ロンドンに行ってから、当時のクラブシーンにいた人々やファッション学校の卒業生など、本当に多くの人と知り合うことになって、そこから「若くて才能溢れる彼らのために、プロジェクトやコレクションを自由に展示できるスペースがあればいいのにな」と純粋に思い始めたんだよ。必ず成功するコンセプトだと心のどこかで直感的に思っていたのか、経験が浅かったから深く考えずにただやってしまったのか、今考えても全然分からないけどね。おそらくその両方だったと思うんだけど、そうしてアクシデント的に生まれたのがMACHINE-Aなのかもしれない。


そういえばスタヴロスはよく星座の話をしていましたよね。スタヴロスは獅子座で、その性質は生まれながらのリーダーでクリエイティヴ。ドラマティックで自信家という特徴もあります(笑)。だから昔から起業家精神で溢れていたのかなとも思いますが、どうでしょうか?

その特性が全て当たっているかどうかは自分では何とも答え難いね(笑)。ただ、生まれつきビジネスマンや起業家である人が存在する訳ではなく、誰もがどこかで学んでそうなるのだと思う。僕の場合はあまり経験がないまま起業してしまったので、何から何まで実際にやりながら学んでいった感じだね。


十分な経験が無かったにも関わらず、MACHINE-Aが今日の姿にまで成長し、成功した理由は何だと思いますか?

起業当初は毎日チャレンジングなことの連続で、本当に、本当に沢山の間違った決断ばかりしてしまったけれど、幾つかの重要な決断が正しく出来たのだと思う。コンセプトは自身の心の中で常にブレなかったからね。それにヤスも含め、スタイリストのアナ(・トリヴェルヤン)や、他にも何人かの気概があってハードワーキングな人達にも恵まれたね。皆で一丸となり、コンセプトを信じ、そして後はタイミングかな。当時はちょうどファッション業界が新しいデザイナーやブランドによりフォーカスし始めていた頃だったから、そのタイミングも極めて重要な役割を果たしたと思う。


その強く信じていたMACHINE-Aのコンセプトは、今に至るまでどのように成長していったのでしょうか?

当初のMACHINE-Aは本当にピュアなクリエーションをフィーチャーしていて、非常にクリエイティヴな反面、 全くコマーシャルではなかった。その数年後、ブリューワー・ストリートに新しいMACHINE-Aをオープンする時は、そのエッセンスをしっかり継承しながらも、よりクリアで洗練されたコンセプトを持っていたんだ。それは新しいデザイナーのコレクションや卒業生作品などと、RAF SIMONSのような強い方向性を持ったハイブランドを融合すること。その答えが出た瞬間から、MACHINE-Aという一つの看板の下で、二つの異なる世界が交わり、ベストなバランスを取ることが出来るようになったと思う。今ではMAISON MARGIELAやCALVIN KLEINといったブランドと、MARTINE ROSEやCRAIG GREEN、ALYXといったブランドが同居し、若手デザイナーとハイブランドが素晴らしいシナジーを生み出しているよ。


話してくれた通り、MACHINE-Aといえばまず若手デザイナーの存在が大きいですよね。彼らデザイナーに対してどのような要素を求めますか?

才能、明確なヴィジョン、決意。そして、優れたビジネスセンスと生産への配慮、ハードワークだね。


今注目している新しい若手デザイナーとその理由を教えて下さい。

まずはRICHARD QUINNだね。彼のコレクションは様々なプリントを使ったコラージュが本当に美しくて、ドラマティックなウィメンズウェアを制作しているんだ。そして去年MACHINE-Aでローンチイベントも行ったKANGHYUK。エアバッグ素材とテイラリングを融合させたコンセプトが素晴らしいと思う。


そのような若手デザイナーを含め、非常にディレクションの強いバイイング自体もMACHINE-Aの特徴だと思います。ショップとしての売り上げも考えると、お客さんがユニークでテイストの強い商品の価値を理解して、ショップのヴィジョンに共鳴してくれることが必要不可欠ですよね。その点を考慮して、どのようにお客さんとコミュニケーションをとっていますか?

ヤスのこの質問自体が、新しいデザイナーやユニークな商品への情熱と理解で溢れているよね。同様に、今のMACHINE-Aにいるチームの皆もそのような考えを既に持ち合わせていて、顧客も正にそのような商品やファッションの未来を担うブランドを探している人々が集まってくれているんだ。だからこそ僕達のセレクションやオススメを自然と信用してくれている。そのようなチームと顧客の関係を心から誇りに思うよ。勿論、より広く情報を発信していくために、ソーシャルメディアに加え、SHOWSTUDIOとのコラボレーションによるクリエイティヴなコンテンツや、インストアでのイベント、プレス活動などを通して、ブランドのプロフィールを一緒に作って世界中に伝えていくように努力しているよ。


SHOWSTUDIO内でのEコマースサイトについて、他の大手サイトとは異なる独自の戦略とはどのようなものなのでしょうか?

ニッチに、最も熟知しているマーケットにフォーカスすること。実店舗と同じく方向性の強いバイイングとセレクションを、独自性を持ち、クリエイティヴなコンテンツと共に紹介することだね。


現在MACHINE-Aは、SHOWSTUDIO並びにSLAM JAMとパートナーシップを結んでいますよね。それぞれファッションメディア、生産やディストリビューションの分野で大きな影響力を持っていますが、両者とMACHINE-Aはどのようなところで共鳴しているのだと思いますか?

共に業界を牽引する企業で、威厳ある両者と提携することが出来、凄く幸運に思うし、感謝の気持ちで一杯だね。SHOWSTUDIOを主宰するニック・ナイトは、アイコンであり、パイオニアであり、インスピレーションの源泉ともいうべき存在。彼の作品やSHOWSTUDIOというオンラインプラットフォームは、絶え間なくファッションやヴィジュアル言語に大きな影響を与えている。そんな彼やそのチームと一緒に何かをする日が来るとは夢にも思っていなかったね。同じく、SLAM JAMのファウンダーであるルカ・ベニーニも、ヨーロッパにおける生産とディストリビューションを牽引する存在で、世界の多くのビッグブランドともビジネスをしている。そして何より素晴らしいのが、このような業界で大きな実績のある両者が、他の誰にも真似出来ない方法で、若手デザイナー達へのサポートをしているということ。その点において、MACHINE-Aを含めた三者が繋がっているんだ。最高のチームであり、ファミリーであり、その一員でいられることを常に誇りに思うよ。


他企業との提携だけでなく、MACHINE-A内のチーム自体も大きくなったと思いますが、今はどのようなメンバーで活動しているのでしょうか?

実は今でもチームは決して大きい訳ではなくて、少数精鋭でやっているよ。僕の他には、ビジネスマネージャーでウィメンズのバイイングも担当しているミア、シニアバイヤーのハリー、ショップをマネジメントしているレイとアキラ、サブマネージャーのビリー、バイヤーとして加わったブライアント、Eコマースマネージャーのディヴィッド。そして店頭のセールスにはエマ、トム、ペイジング、セリーンといったメンバーがいる。全員がクレバーで、 ファッションに対する強い想いと共に日々ハードワークしてくれていて、チームの皆にはいつも感謝の気持ちで一杯だよ。


僕がいた当時からアーティストとして活動していたレイをはじめ、皆がそれぞれ違う興味を持っていて、MACHINE-A外でも活躍していますよね。そんな個性溢れるチームのリーダーとして、何か気を付けていることはありますか?

朝、皆がハッピーな気持ちで出社して、職場で彼ら自身の才能や個々のテイスト、能力を発揮出来るチャンスを与えること。その結果として、皆が一丸となって、ギアの噛み合った“マシーン”として機能することが出来る。それこそがチームワークで、ポジションに関係無く、誰もが重要な存在なんだ。


リーダーであるスタロス自身が、時折アドバイスをもらったりする存在の人は誰かいますか? 例えば、僕にとってスタヴロスは、日本に戻った今でも、これからもずっと、ボスでありメンターのような存在であり続けると思っています。

ありがとう。今でもそう思ってくれて凄く嬉しいし、僕の方こそ尊敬するよ。僕にとってのメンターって考えると、ニック・ナイト、VOGUEのサラ・モーア、SLAM JAMのEコマースのトップでありMACHINE-A役員でもあるジョヴァンニ・デ・マルキ、ギリシャ文化を支援するオナシス財団文化センターのディレクターであるアフロディティ・パナジオタクが挙げられるね。


先程も話に上がったラフ・シモンズについて。僕もラフが大好きで、MACHINE-A再オープンの時に取扱いが決まって一緒に凄く喜んだことを今でも覚えています。スタヴロス個人としてラフが好きな理由と、MACHINE-Aにとって何故最もキーとなるデザイナーの一人なのかを教えて下さい。

僕にとってラフ・シモンズは、もはや最高のメンズデザイナーというレベルを超えているんだ。未来へのヒントを与えてくれる唯一無二の存在だね。当時一緒にバイイングしていたヤスなら分かると思うけど、僕のバイイングの中心には常にまずラフがあって、そこから他のブランドのバイイングやセレクションに派生して組み立てていくんだ。勿論、ラフ本人や彼のチームも本当に素敵な人ばかりで、ブランドとしてMACHINE-Aのコンセプトに誰よりも早く理解を示してくれて、再オープン当初からサポートしてくれたことは本当に感謝してもしきれないくらいだよ。


ストリートスナップでもラフを着たスタイルはよくフィーチャーされていますよね。スタヴロス自身もファッションアイコンだと思いますが、自身のスタイルをどう形容しますか?

常に自分自身であること。自身のムードやインスピレーション、年齢と自身の変化、それに発信したいメッセージでスタイルが決まるのだと思う。スタイルはヴィジュアルを通した会話だからね。


今まで買ってきたアイテムで、生涯のベストと呼べるアイテムは何かありますか? もしあればその思い出も聞かせて下さい。

そのようなピースが実は沢山あって、それぞれにしっかり思い出もあるけれど、皆に語るにはちょっとパーソナル過ぎるから秘密ということで(笑)。


(笑)。それでは代わりに、2018年春夏シーズンのMACHINE-Aセレクションの中から、スタヴロス的ベストピースを教えて下さい。

RAF SIMONSのワンショルダーのテイラードヴェスト、CALVIN KLEINのフォレストグリーンのブーツ、MAISON MARGIELAのコーデュロイのスーツ。どれも凄く強いピースなのに、実は色々な機会に対応出来て、意外と着易いアイテムなんだ。


正にスタヴロスらしいチョイスですね。エッジが効いていながらも洗練されていて、トゥーマッチにならないというか。そのような個人のファッションにおけるテイストは、どこまでMACHINE-Aのビジネスに影響していると思いますか?

かなり大きく影響しているね。僕がバイイングのディレクションをしている訳だから、必然的に僕の好みがMACHINE-Aに反映されているよ。とはいっても、自分が着たいものをそのまま買い付けている訳ではなく、そこから更に人々が着たいと思うであろうものを買い付ける。その違いは大きくて、常にお客さんの姿が頭にある。勿論、消化率といったデータも考慮しているけど、それだけに頼り過ぎると、自分達の個性とファッション・フォワードな考えが欠落してしまうからね。


スタヴロス個人のテイストが大きく影響しているということですが、スタヴロスの生活においてパーソナルな部分とビジネスな部分はどのように分けられているのでしょうか? もしくはその壁が完全に無くなることはあるのでしょうか?

壁が無くなるという感じではないけど、常にビジネスには僕のパーソナルな部分があるし、逆に僕のパーソナルなところにもビジネスのことが入ってくる。MACHINE-Aは僕が始めたビジネスだし、その二つが完全に切り離されることは出来ないんだ。両者を分けることよりもそのバランスが大事で、極度な偏りが出来ないようにだけ注意しているよ。


スタヴロスは今やMACHINE-Aだけにとどまらず多岐に渡る活動をしています。SHOWSTUDIOのパネラーをはじめ、ブリティッシュ・ファッション・カウンシルのデザイナー支援スキームであるNEWGENの審査員、ファッションブランドDELADAのクリエイティヴ・ディレクション、そしてつい先日開催されたコペンハーゲン・インターナショナル・ファッション・フェア(CIFF)のキュレーターなどもやっていますよね。このようなマルチタスクを同時にこなす秘訣は何でしょうか?

まずハードワーク、そしてタイムマネジメントと集中力。矛盾しているようだけど、数多くのプロジェクトに携わるようになって、よりMACHINE-Aに集中出来るようになったと感じるんだ。物事が見えにくくなったり、インスピレーションが得られなくなった時に、そのような別のプロジェクトによってクリアな視点を取り戻すことが出来るからね。


幾つか将来のことについてお伺いさせて下さい。まず、ブティックやコンセプトストアの将来、存在意義をどう捉えていますか? 特にUKではBREXITという課題がありますし、ファッションリテイルでいうと今やブランドが消費者と直接コミュニケーションをとり、ブティックを介さずダイレクトに商品を売ることが出来る時代です。

先ず、そのショップに明確なディレクションがあって、顧客や関連会社と長期に渡る忠実な関係を築いていれば、どんなに厳しいものであったとしても、そのような外的要因が致命的な変化をもたらすとは思わない。今後、僕達のようなブティックやコンセプトストアに必要なのは、よりフレキシブルな姿勢で、時代の変化と共に 物事を微妙に調整しながら、自身のキャラクターや精神を失わないようにしていくことじゃないかと思うね。


付随して、そのような時代にファッションバイヤーに求められる資質とは何だと考えますか?

明確なヴィジョンだね。ブランドやデザイナーのセレクションは、今のハイプさのみで決めるのではなく、最終的な売り上げまでの道程がどんなに遠回りになろうとも、長く持続する要素をもっと考慮して決定すべきだと思う。改めて、如何なるショップもバイイングチームも、独自のキャラクターを持って自らの顧客やマーケットに応じたバイイングを考えるべき。ただ今現在の人気やバズに応じたバイイングをするのは、非常に短絡的で短期的で、逆にリスクが高いと思う。


スタヴロスの言っていることはとてもよく分かります。とはいえ、ソーシャルメディアから絶え間なくバズが生まれ、ジェネレーションZに代表されるように、現在の消費者はコラボレーションアイテムや限定販売が大好きですよね。

その通り! だからこそ、ブティックやコンセプトストアという存在が生き残っていくには、その両方へのアプローチが必要だね。流行りが好きな人々も勿論無視出来ないし、その一方でロイヤルカスタマーには個々に独自の買い物をする意味をしっかり伝え続けないといけない。その両方へバランスよくアプローチしながらも、ショップのキャラクターを決して失わないようにもしないといけないね。


将来へ向けたMACHINE-A的、個人的目標を聞かせて下さい。

MACHINE-Aとしては、より広いスペースで360度体験を提供出来るショップにしたいね。個人的には、より多くの時間を家族と過ごし、更にいつかは自身の家族を持てればいいね!ー



















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