WALTER VAN BEIRENDONCKの2018年春夏コレクションには「OWLS WHISPER」というタイトルが付けられていた。彼のショー・インヴィテーションには、毎回ユニークなイラストと共に、一種のスローガンとも言うべきストーリー性溢れるタイトルが大々的に記されているのが常で、今回も決して例外ではないように思えた。ただ、改めてその意味を噛み締めてみると、どこかいつもと様子が違う、不思議な違和感を覚えた。 プレイフルなカラーコンビネーション、グラフィカルなシェイプ、ジェンダーを超えたフューチャリスティックなアプローチから生み出される彼独特のヴィジュアルに加え、民族や人種、多様性、セックスと愛、さらに戦争と自由など、発信されるメッセージの強度もシグネチャーとしてきた彼が、どうして今更 「フクロウ達は囁く」なのか。