鳥取県、八頭郡八頭町。GOOGLE STREET VIEWで何度か渡ったことのある橋を初めて渡り、川西の実家が見えてきた。玄関正面に目をやると、ゴールデン・レトリバーのボイス君(ヨーゼフ・ボイスに由来)の唸り声が聞こえる。長い廊下を抜けた先のリビングでは、最大のサポーターである父親と母親、弟が晩酌を交わしている。その奥のソファでは地元着を身に纏い、寝入っている彼の姿が。時刻は午前一時過ぎ。
LANDLORDとは別に「RYOHEI KAWANISHI」名義でも活動をされていますが、最近ではニューヨーク近代美術館にて開催される『ITEM: IS FASHION MODERN?』に参加されますよね。
この企画は20~21世紀にかけて世界に影響を与えた衣類やアクセサリーなどのプロダクトを、若手クリエイターが新しい解釈でアウトプットする、というプロジェクト。僕は「キューバシャツ」に関するアートピース制作の依頼を受けました。シャツの歴史を調べてみたのですが、様々な国のスタイルが混在しているために起源は謎。キューバでは正装となっていて、フィデル・カストロなど政治指導者達にも幅広く着用されているのにもかかわらず(笑)。そんなシャツをセントラル・セント・マーチンズの卒業コレクションのようにニットで作り上げたいと思い、“BIGGER IS BETTER”をモットーに、一着は日本のニット工場、もう一着はアシスタント達とハンドクラフトでの制作を始めました。シャツの正面と背面にキューバ危機に関する登場人物達を施すことで、キューバシャツは勿論、キューバ危機という歴史的事象も後世に残るのではないか、という意味合いを込めました。ハードな作業が連日続いたので、巨大ニット・キューバシャツが完成した時、アシスタント達は大号泣(笑)。
ニューヨークのミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインで催された『FASHION AFTER FASHION』へも参加されていましたが、こちらは、真逆のアプローチ作られていると思います。