たまたま誰かの知り合いが学校の卒業アルバムを制作する人で、その時人手不足で「沢山写真撮れるから来れば?」と言われて、フィルムや機材が使いたい放題だったのでそこで写真の技術とかを覚えました。大学四年生の時にふらふらしていたら、ワタリウム美術館で色々なアーティストを呼んで青山の道とかを使って展覧会をやっていたんです。その時にヤン・ファーブルという人がキュレーションをしていて、彼を含め沢山のアーティスト達も来ていて、何故かその人達に連れられて打ち上げとかにも参加させてもらったんですよね。その時も写真を沢山撮って、そこから美術とか写真を意識したのかな? ちょうどその頃知り合いがニューヨークに行っていて、お土産で『L’HIVER DE L’AMOUR BIS』という展覧会のパンフレットをくれたんです。PURPLEチームがキュレーションをしていて、ヴォルフガング・ティルマンスとか色々な現代美術の作品が載っていたのですが、何故か一番惹かれたのがマルタン・マルジェラのドキュメンタリーで、それが凄く気になったんです。ファッションの要素、ドキュメンタリー性、ポートレイトの要素など、全ての要素が入っていたんですよね。「こういうことが一番やりたかったんだ」とその時に思いました。ワタリウム美術館の時に撮っていた写真と頭の中でクロスオーバーして、その本を見たらアンダース・エドストロームの名前と「パリに住んでいるスウェーデン人です」とだけ書いてありました。とにかくよく分からないけど、フランス語を勉強してこの人に会いに行こうと思ったんです。大学生の時にフランス語の学校に行ったらたまたまそこにいた人に「何で来たの?」と言われて。「アンダース・エドストロームっていう人がいて、その人に会いたくてフランス語を勉強してる」と言ったら、その人の奥さんが知り合いで「連絡先だけは分かるよ」って。「これはもう行くしかない!」と思うじゃないですか。バイトをしてお金を貯めて、一年後くらいにフランスに行きました。