JPN DESIGNERS 2 / KOTOHAYOKOZAWA

次なる時代を作る日本人デザイナー達②/横澤琴葉
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CURATION & TEXT SHINGO ISOYAMA
横澤琴葉
1991年名古屋市生まれ。エスモードジャポン東京校を卒業後、アパレル企業にデザイナーとして就職。退職後、エスモードジャポンの最上級コース「A.M.I.」に一年通った後、2015年3月よりKOTOHAYOKOZAWAをスタートさせる。
KOTOHAYOKOZAWA.COM


ファッションデザイナーを志したきっかけは何ですか?
日々の装いと体調やメンタルなど、自分のコンディションが深く関わり合っているという感覚が小学生の頃からあり、一番の関心事は常にファッションでした。祖母が洋裁店を営んでいたので、その影響もあり物心付いた頃から服をデザインする人になりたいと思っていました。

現在のファッションシーンに対してどのように考えていますか?
従来のサイクルやシステムは機能してませんし、もはやその気になれば誰でも服を作り発表出来ます。そして「憧れ」よりも「共感」の比重が大きくなっている気がします。そういった中で、自分のフィルターを通さなければ発表出来ないファッションの価値観や関わり方をいかに早く見付け出し、表現するかが重要だと思います。

あなたにとってのミューズ、ヒーローは誰ですか?
ジブリ作品『海がきこえる』のヒロインの里伽子です。少女と女性の狭間を行き来するような表情や言動に心打たれます。

最近「新しい」と感じたものについて教えて下さい。
バンドのヤイエルです。同世代の方々ですし、まず名前が良いですよね。ニューエイジ思想家バシャールによる用語で異星人という意味の由来から分かる通り、ジャンルの線引きが出来ない危うさを孕んでいて、どこかトリッピーで聴き入ってしまいます。後、全く方向性が変わるのですが、お笑い芸人のフースーヤというコンビは、ここ最近見た中で一番ハマった芸人さんです。ひたすらノリが良いのだけれども、言ってることは一切意味が無いという、凄く今っぽいネタです。

最近、気になっている方は誰ですか?
アーティストのAYA GLOOMYちゃんです。彼女が出るイベントに行った際に初めてお会いしたのですが、小柄なのに強いエネルギーがあって元気で可愛くて、一瞬で好きになりました。

繰り返し読む本について教えて下さい。
宮沢りえの写真集『SANTA FE』。

あなたの人生に大きな影響を与えた映画についてお聞かせ下さい。
『恋の門』という漫画が原作の邦画が好きです。内容は漫画家同士のラヴコメで、お互いが漫画制作に一生懸命取り組む姿に感動します。けど全体的にギャグ感が強いので笑えます。

よく見るウェブサイトを教えて下さい。
『REFIGURAL』というウェブマガジンです。ありがちなウェブ広告のパロディのような記事、広い視野からのモデル選びやスタイリングもユーモアを交えつつ風刺しているようで大好きです。

あなた自身を素材で表すとしたら、何だと思いますか?
デニムと細かいプリーツのかかったカットソー、ビニール、レザー。

あなた自身を色で表すとしたら、何だと思いますか?
薄いグレー、シルバー。

服作りをする際に決めているルールについて教えて下さい。
途中段階で完成してもいい。一度作ったものを壊してもいい。自分以外の誰でも説明を受ければ作れること、それが難しい場合は絶対に自分でないと作れないものであること。

どのような機会に衣服を買いますか?
例えばお店で気になったアイテムを見付けて、それを着た自分のヴィジョンがパッと思い浮かんだ時は即座に買います。そんなに頻繁にあることではないです。

プライベートな時間はどのように過ごされていますか?
テレビ番組が大好きなので、時間さえあればよくテレビを観ます。ニュースや討論番組、深夜のバラエティをつい沢山観てしまいます。

これまでの人生において、時間を忘れてしまうほど何かに夢中になったことはありますか?
何の作業に何時間費やしたかを割と気にする方なので、残念ながらあまり無いです。

興味のある現象についてお聞かせ下さい。
以前原宿に「NOVO!」というヴィンテージショップがあったのですが、そのお店が今は店舗を持たず移動式ショップをしています。それもKATOさんというオーナー自身が主催する音楽イベント(AYA GLOOMYちゃんにもそこで出会いました)の中などでショップをするんです。「NOVO!」だけでなく、古着屋さんやショップでモノを買う以前にコミュニケーションや出会い方を生み出す場作りが面白いと思います。お店という存在自体も凄く興味があります。

継続するにあたって大切にされていることは何ですか?
制作ができる環境作り。人と会って話すこと、自分一人きりで進めないこと、毎日よく寝てよく笑うこと。いつ何時も体が資本であると忘れないこと。

今後、実験していきたいと思っていることはありますか?
服そのものの新しい作り方を研究したいです。それは素材だったりパターンだったり、縫製方法だったりと、服にまつわること全てです。服のデザインやスタイリングを考えるのは勿論楽しいのですが、根本のやり方や作り方を変えたいという思いの方が今は圧倒的に強いです。

今後、残るものと残らないものは何だと思いますか?
人工知能が何でもやってくれるようになり、私達の仕事は減っていくかもしれません。逆に便利になっていく中で、人の感情に畳み掛けるようなものや経験が今以上に求められていくのではないかと思います。

進歩して行く時代の中でどのようなことが大切になると思いますか?
曖昧なこと、言葉や文字で伝えるだけでは補えないふわふわしたものは、より貴重な存在になると思います。自分の育った環境やその中で形成された原風景のようなものは変えられないものですし、大切なものでもあります。同じ時代に育った人達の中で、自分に近い背景を持った者同士の共感性や、そうでない人達にもその空気感を伝えることが出来るようなアプローチは、時代を刻んでいく上でとても重要な存在だと思います。


KOTOHAYOKOZAWA 1

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KOTOHAYOKOZAWA 4

2017年春夏コレクションより。