ビュークの長年のコラボレーターとして知られるジェームス・メリーが、自身のインスタグラムアカウントに初投稿したのは、今から僅か49週間前のことだった。「古着のスポーツウェアを蘇生する(FERTILIZATION OF OLD SPORTSWEAR)」というコメントと共に投稿されたのは、アイスランドの野生植物を刺繍した、古着のスウェットの写真だった。見慣れたNIKEのスウォッシュは苔に覆われ、苔の上にはパンジーが花を咲かせる。コメント欄には「刺繍を始めるしかない (I THINK I’M ABOUT TO GET HEAVILY INTO EMBROIDERY)」「絶対買い (WOULD TOTALLY PURCHASE)」「ただただ素晴らしい (AWESOMENESS!!)」といった賛辞の言葉が並び、寄せられた「いいね!」の数は優に1,000を超えていた。スマートフォンを針と糸に持ち替えて、インターネットユーザーが刺繍を始めるための動機付けとしては、メリーのユニークな刺繍作品は十二分なインパクトを秘めていたようだ 。